介護を始めたばかりの頃、私も「どうして素直に行ってくれないの?」と悩んだひとりです。
でもあるとき気づいたのです。
【病院がイヤなのではなく、“行きたくない理由”がちゃんとある】ということに。
この記事では、親の気持ちを尊重しながら病院へ導く声かけ実例を7つご紹介します。
本人のプライドを傷つけない【ちょっとしたコツ】も合わせてお伝えしますので、よかったら参考にしてくださいね。
🟡親が病院を嫌がる5つの理由とは?
まずは「なぜ行きたくないのか?」という背景を知ることから始めましょう。
- 1. 「病人扱いされたくない」
- まだまだ元気と思いたい気持ちが強い。
- 2. 待ち時間や混雑がつらい
- 体力的にしんどい、腰や足が痛いなどの苦痛がある。
- 3. 「また薬が増えるだけ」と思っている
- 医者不信や過去の経験でネガティブになっている。
- 4. 「病気が見つかったらどうしよう」
- 心配よりも“知るのが怖い”心理がある。
- 5. 「面倒をかけたくない」
- 子どもに迷惑をかけたくないという優しさの裏返し。
🧡声かけ実例7選|本人のプライドを守る言い方の工夫

それではここから、実際に使える声かけの例をご紹介します。
シーンに合わせてアレンジしてみてください。
① 「最近ちょっと元気ないみたいで心配なんだ」

お父さんのこと、最近ちょっと気になってて…私の気のせいなら安心できるから、一緒に診てもらえないかな?
➡ “親の体調”ではなく、“自分の安心のため”というスタンスが◎。
② 「◯◯先生に相談してみたいことがあるんだけど…」
➡ かかりつけ医がいれば、“自分の用事のついで”にするのも効果的。

こないだ先生に言われたこと、ちょっと不安で…お父さんも一緒に話聞いてくれない?
③ 「病院の帰りに◯◯寄ろうよ」
➡ 目的を“病院以外”に置くと、気が楽になります。

帰りにあのパン屋さん寄ろうよ。早めに行けば並ばなくて済むし♪
④ 「今日は送ってくだけでいいから」
➡ 「ついてきて」ではなく、「送る・付き添いだけ」でハードルを下げる。
👀 ポイント:
「待っててもらえると助かるな」など、“お願い”ベースで伝えると受け入れられやすいです。
⑤ 「先生が一度診たいって言ってたよ」
➡ 医師の言葉を借りることで説得力アップ。⑥ 「私も最近ちょっと調子悪くて…」
➡ “一緒に行こう”作戦。自分も病院に行くついでにと誘ってみるのも◎。
⑦ 「予約しておいたから、顔出すだけで大丈夫だよ」
➡ 行く前のハードルを下げる声かけ。
🍀ちょっとしたコツ|「言い方」だけで受け取り方が変わる

親世代は、「世話されること=みじめ」と感じやすい人も少なくありません。
以下のような【言い換え】を意識すると、伝わり方がぐっと変わります。
避けたい言い方 | おすすめの言い方 |
---|---|
「病院行かないとダメでしょ」 | 「ちょっと見てもらえたら安心だよね」 |
「また薬増えたらどうするの?」 | 「飲みやすくなるかもしれないよ」 |
「しんどいって言ってたじゃん」 | 「昨日よりちょっとつらそうに見えるよ」 |
🌱まとめ|親の気持ちに寄り添う声かけがいちばんの近道

病院に行ってほしい気持ちは、介護する側としては当然の願い。
でもそこに“上から目線”や“正論”だけがあると、心は動きません。
ゆっくりでも大丈夫。
あなたのペースで、親との距離を縮めていけますように。
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